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「gooラボ」でマルチメディア検索「MultiMedia Meister」の共同実験を開始 ~欲しい画像や動画を直感的に探しだす世界初の取り組みにより検索の概念を一新~

平成17年2月23日

報道発表資料

日本電信電話株式会社
NTTレゾナント株式会社

「gooラボ」でマルチメディア検索「MultiMedia Meister」の共同実験を開始
~欲しい画像や動画を直感的に探しだす世界初の取り組みにより
検索の概念を一新~

 日本電信電話株式会社(以下NTT、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:和田紀夫)と、ポータルサイト「goo」を提供するNTTレゾナント株式会社(以下NTTレゾナント、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:資宗克行)は、昨年10月に始動した両社の共同プロジェクト「ナビゲーション・プロジェクト」*1の一環として、これまでのマルチメディア検索サービスで一般的であったキーワード入力による検索に加え、画像の特徴といった視覚的情報から、似たようなコンテンツの絞込みを可能とする、全く新しいマルチメディア検索サービス「MultiMedia Meister(マルチメディア マイスター)」を開発し、商用環境での検証・評価のための共同実験を、ポータルサイト「goo」上に開設した実験サイト「gooラボ」(http://labs.goo.ne.jp/)上で開始します。
 「MultiMedia Meister」は、NTTサイバーソリューション研究所が開発した類似画像検索技術、画像クラスタリング(分類分け)技術などにより、検索結果画面に表示される静止画や動画の中から求めるものに近いものを選択することで検索結果を絞り込み、目的のコンテンツを直感的に効率よく探せるといった、マルチメディア検索サービスにおいて世界初の機能を実現しています(別紙)。
 また、安心して利用してもらうために不可欠な猥褻画像や動画などの有害なコンテンツの排除や、検索された画像を含むWebページへのリンクを表すアイコンの上にマウスカーソルを重ねるだけで、リンク先のウェブページ上の画像を素早くポップアップ表示することもできます。
 なお、実験期間は、2005年2月23日から2005年5月31日までを予定しています。

1. 背景と目的

 ブロードバンドの普及に伴い、インターネットユーザによるマルチメディアコンテンツの検索ニーズも高まってきています。現行のマルチメディア検索サービスは、マルチメディアコンテンツを含むWebページに掲載の文字情報に基づき、入力されたキーワードと合致するページを検索結果として提示し、キーワードを追加する等で検索結果を絞り込んでいくことができますが、例えば、“魚”というキーワードで画像を検索する場合、検索結果の中から「こんな形の画像だけ選別したい」と思っても、「こんな形」を的確にテキスト情報で表現できない場合、求める検索結果にたどり着くことができない場合もありました。
 今回提供する「MultiMedia Meister」は、静止画および動画マルチメディアコンテンツそのものの特徴を捉えた直感的な検索により、マルチメディアコンテンツ検索の概念を一新するもので、ユーザの不満を解決する新しい検索手段として期待されます。
 両社は、共同実験を通じて、「MultiMedia Meister」の技術面・運用面での実用性検証を行い、併せてこの分野におけるNTTおよび「goo」の世界的なプレゼンスの向上を図ります。

2. 「MultiMedia Meister」の概要

(1) マルチメディア検索
 静止画だけではなく、動画も検索することができ、画像の大きさや動画の再生時間、ファイルの種別などの条件を指定した検索ができます。静止画の検索結果は、サムネイル(縮小画像)を表示するだけでなく、サムネイル下部にマウスカーソルを重ねるだけでオリジナル画像の存在するウェブページを自動的に表示することも可能です。また、動画の検索結果は、途中のシーンを抜き出して4枚のサムネイルとして表示し、動画を視聴しなくても概要を理解でき、これらの機能により、検索結果から各コンテンツの内容を容易に把握することが可能です。また、音声についても、従来どおりのキーワード入力による検索が可能です。
(2) 多彩な絞込み機能
 静止画および動画を検索する際は、まずキーワードを入力することで検索結果が表示されますが、検索結果を絞り込む場合は、検索結果上の任意のサムネイルに類似した画像的特徴を持つものから順番に並び替えたり、互いに類似したサムネイルをグループ分けして表示したりすることが可能です。また、サムネイルの一部の特徴を捉え、類似する画像や動画を検索することも可能です。これにより、多彩な検索が可能になり、探している画像を容易探し出すことが可能になります。
(3) 問題画像排除機能
 アダルト画像等の有害コンテンツを、検索結果から自動的に排除しますので、安心して検索を行うことができます。
(4)検索結果の3次元空間表示も可能
 「gooラボ」で公開中の「3Dウェブ検索実験」との連携により、検索結果の3次元総覧が可能です。マウス操作で3次元空間の中を移動しながら、全ての検索結果をページ切り替えすることなく連続的に閲覧するシームレスな検索ができます。
※利用方法
・ 「goo」トップページ(http://www.goo.ne.jp/)から「gooラボ」をクリック

・ 「gooラボ」の「マルチメディア検索実験」をクリック

・ 検索窓にキーワードを入れて「画像」「動画」等探しているメディアの
検索ボタンを押す

・ 検索結果表示

3.技術のポイント

 「MultiMedia Meister」では、以下の4つの技術によりマルチメディア検索の検索精度と閲覧性の向上を実現しています。
(1) 類似画像検索技術
 静止画や動画を構成する画像データを処理することで得られる画像の特徴(色および形状)を数値化しそのデータを基に色や形状の類似性を解析することで、静止画や動画を絞り込み検索することを可能としました。
 「MultiMedia Meister」のような類似画像検索を実現するには、検索対象となる画像が膨大であることから、一般的にそのデータ解析等に多くの時間を要します。この度は、「goo」の「最速ニュース検索」でも導入済みのNTTが開発した世界最速クラスの検索システム「新鮮情報検索エンジン」の性能をさらに向上させ、類似画像検索技術である画像の特徴が数値化されたデータに基づく、全く新しい世界初の検索機能を追加することで、処理の高速化を実現しています。これにより、ウェブ検索サービスの様な、大量の情報、大量のアクセス下においても、サービスが提供可能になりました。
(2) 画像クラスタリング技術
 画像の検索を行う場合、求める検索結果になかなかたどり着くことができなかったり、求める画像がどのような姿形をしているか分からないような場合もあります。「MultiMedia Meister」では、サムネイルの類似性を判断する際、画像の特徴だけではなく画像が掲載されているウェブページの文字情報も併用して自動的に分類分けする、これまでにない全く新しいクラスタリング技術を導入しています。これにより、高い検索精度と高速な検索を実現し、文字情報だけで分類分けする場合の約半分の時間で分類し、より多くの検索結果の提示を実現しています。
(3) テキストフィルタリング技術
 「goo」のウェブ検索にも導入済みの、猥褻画像などの有害なコンテンツを高速かつ高い精度で検出し、排除する技術です。有害なコンテンツに含まれることの多いキーワードを含むウェブページを検索結果から排除すると共に、複数のキーワードが入力された場合でも、その組合せが有害コンテンツを含む検索結果となる可能性を判定する方式を新たに開発したことで、9割以上の検索結果においての有害コンテンツ排除を実現しました。また、「新鮮情報検索エンジン」の高速検索技術を利用する事で、1億コンテンツのフィルタリングを1日以内に実行することができます。
(4) ウェブコンテンツ速覧支援技術
 画像検索結果ページにおいて、該当画像を含むウェブページのリンクの上にマウスカーソルを重ねるもしくは外すだけで、リンク先のウェブページをポップアップ表示もしくは消去します。画像検索サービスでは、オリジナル画像のサムネイルを検索結果として提示するのが一般的ですが、小さなサムネイルでは画像の詳細な確認が難しく、ユーザはリンク先のウェブページを1つずつ閲覧し、オリジナル画像を参照する操作を繰り返しながら求める画像を探すことが多くなりがちでした。この度、クリックのいらない検索結果閲覧の実現により、より多くの画像を素早く閲覧できます。

4. 各社の役割

(1) NTT
 本実験サービスに必要なNTT開発の技術を提供します。これにより、商用環境における同機能の有用性および有効性を検証します。
(2) NTTレゾナント
 実験終了後の商用サービス導入に向け、利用動向やユーザのご意見を基にビジネス性を評価します。

5. 今後の予定

 NTTは、実験の技術的な評価とフィードバックを行うことで、いつでも必要な情報に様々な形で出会うことができるための「サイバー・ナビゲーション技術」の研究開発促進を図ります。また、NTTレゾナントでは、本実験で得られたデータをもとに、「goo」でのサービス化も視野に入れビジネス性の検討を行う予定です。
【用語説明】
*1ナビゲーション・プロジェクト(http://www.ntt.co.jp/news/news04/0410/041026.html)従来より実施している「gooラボ」を活用した公開共同実験をより積極に展開し、新たな検索サービスの開発に取り組む共同プロジェクト。
以上
【本件に関するお問合せ先】
NTTレゾナント ポータル事業本部
E-mail:pr@nttr.co.jp
NTTサイバーコミュニケーション総合研究所
企画部広報担当
E-mail:ckoho@lab.ntt.co.jp