ユーザの感覚的なニーズに合ったコンテンツを推奨する検索・レコメンド基盤を開発
~ユーザが指定した検索条件に加え、ユーザの「プロファイル」と
「サイト操作履歴情報」、ブログから抽出した「感性表現」を利用~
2009年2月17日
報道発表資料
日本電信電話株式会社
NTTレゾナント株式会社
ユーザの感覚的なニーズに合ったコンテンツを推奨する検索・レコメンド基盤を開発
~ユーザが指定した検索条件に加え、ユーザの「プロファイル」と
「サイト操作履歴情報」、ブログから抽出した「感性表現」を利用~
尚、本サービスはNTTとNTTレゾナントの共同実験として実施されるもので、本日2009年2月17日からから8月31日までを予定しています。
ネット上に存在する情報は増加の一途を辿り、ユーザは検索のみでは欲しい情報を探しきれない状況になっています。また、ユーザ全般の購買情報や操作履歴などから商品や情報を推奨するサービスは増えていますが、あくまでも世間一般の傾向という位置づけであり、ユーザ個人が必ずしも満足のいくものではありません。
この度実証実験を開始する「ぐにゅナビ」では、様々な技術を組み合わせによりユーザのニーズを把握しコンテンツを推薦することで、検索だけでは探しきれなかったコンテンツやユーザが気づかなかった自身の嗜好に気づくことができます。
「ぐにゅナビ」の第一弾として、NTTレゾナントが運営するハリウッドメジャースタジオ映画作品配信サービス「シネマ・コンプレックス」上にて、実証実験を行います。
実験では、ユーザのプロファイルやサイトの操作履歴、ユーザが指定したキーワードに合った映画作品はもちろん、ユーザ自身が気づかず潜在的に抱いている嗜好にあった映画作品を「シネマ・コンプレックス」が提供する約500本の映画作品の中から推測し表示します。
「ぐにゅナビ」は、NTTサイバーソリューション研究所が開発した「感性解析技術」と、NTTレゾナントが開発したユーザの操作履歴やプロファイル、ユーザが指定した検索条件に基づきコンテンツを推薦する技術「コンテンツナビゲーション技術」を組合せ、ユーザを多面的に把握する検索/レコメンドを実現します。
(1)感性解析技術
「感性解析技術」は、ブログ記事内でのトピック(映画タイトル、監督名、俳優名など)に対する「かわいい」や「怖い」などの感性表現と、映画用に定義された分類知識(「カンフー映画はアクション」といったジャンル付けや「XXという映画にはYYとZZが出演している」といった知識)を紐付け、ブログ記事に記載された感性表現を高精度に抽出する技術です。
<技術のポイント>
・「映画タイトル」や「監督名」、「俳優名」などの「映画関連トピック」をあらかじめ定義している映画専用の分類知識を、ブログ記事内に記載された「感性表現」の抽出の際に参照することで、これまでの評判検索より高精度に「映画関連トピック」と感性表現の対を解析することが可能になります。例えば、ある「映画タイトル」に出演している「役者」が「素晴らしい」など、何が、どこにおいて、どう素晴らしいのかということを、分類知識を利用して提示します。
・ブログ記事解析に基づきあらかじめ設定された感性表現の分類知識(50の感性表現に分類される400の感性に関連する表現、例:「かわいい」という感性表現に分類される「キュート」「チャーミング」などの表現)により、ユーザは映画に関する感性表現を網羅的にチェックでき、より自分の感性に合った映画作品を選択できます。
ブログなどのCGM(Consumer-Generated Media)から抽出された感性表現を、コンテンツ推薦に利用することは、従来の「ジャンル」など、コンテンツ提供者が定義したコンテンツ属性を利用した推薦では得られない、コンテンツ消費者側の声を利用した推薦の実現に繋がります。また、感性表現は、多様な「ジャンル」を横断的に結びつける情報であるため、「おしゃれ」な「サスペンス」から「おしゃれ」な「恋愛ドラマ」までなど、幅広いコンテンツ推薦の実現に繋がります。このことは、ユーザに新たなコンテンツの提案を行えるので、新たな気づきを生み出す効果も期待できます。あわせて、推薦根拠としてブログ記事も提示するため、ユーザの納得感の向上にもつながります。
本技術は、映画のみではなく、音楽や本など、様々なドメインに対して適用でき、高い汎用性を持っています。
(2)コンテンツナビゲーション技術
「コンテンツナビゲーション技術」は、ユーザのプロファイル(「男性」、「30歳代」など)、サイト操作履歴情報に基づく“コンテンツレコメンド”と、ユーザが指定した検索条件に基づく“コンテンツ検索”を組み合わせ、ユーザのコンテンツ発見をサポートする技術です。ユーザが閲覧したコンテンツやコンテンツを選ぶといった操作履歴は、“アクション映画”、“最近の映画”などの体系的な知識に変換され記憶されます。これにより、ユーザが利用するごとに、レコメンドの精度が向上します。蓄積された知識をユーザが確認することも可能で、蓄積された操作履歴から“スリリングな映画を好む”などのユーザ自身の傾向を発見することも可能です。
ユーザが設定したプロファイル情報は、予め登録されたルール(男性=アクション映画を好む傾向にあるなど)により評価されます。これにより履歴が少ないサービス利用開始直後でもプロファイルを設定するだけで、コンテンツのレコメンドが可能です。さらに、ユーザは程度情報を伴う検索条件を指定する事により、レコメンド結果に検索要素を加えることも可能です。