お知らせ
NTTレゾナント株式会社
慶應義塾大学グローバル学習科学・技術研究センター
【gooリサーチ・慶應義塾大学共同調査】
第3回「大学の講義の公開」に関する調査結果
~音楽再生機利用や評価・口コミ機能への期待高まる~
インターネットアンケート・サービス「gooリサーチ」(*1)を提供するNTTレゾナント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:中嶋孝夫)と慶應義塾大学グローバル学習科学・技術研究センター(東京都港区、センター長:大川恵子 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授、 以下慶應義塾大学)は、全国のgooリサーチ登録モニターを対象に「大学の講義の公開」に関する調査を実施しました。
今回の調査結果より、大学の社会的役割に対する期待の高さが明らかとなりました。講義内容を公開している大学のWebサイトの利用ニーズは7割に上り、講義の評価機能や口コミ機能の追加が求められています。また、利用者の多くが音楽再生機器での利用も望んでいます。大学の近くに住む消費者に対する公開講座実施のニーズは8割に上り、インターネット配信を望む声も多く聞かれました。これからの大学に対する期待として、学問の追求に加え、知識の学外への還元や社会貢献が挙げられており、大学が果たす役割に期待が集まっていることがうかがえます。
本調査は、慶應義塾大学が日本オープンコースウェア・コンソーシアム(以下JOCW(*2)、代表幹事:福原美三 慶應義塾)の経験をふまえてNTTレゾナントと共同で調査の企画・設計・分析を行ったもので、過去に実施した4回分の調査結果をもとに、より深い消費者の意向を時系列で把握するべく実施しました。
■総括
有効回答者1,200名のうち、大学が講義内容を公開している大学サイトの利用ニーズはおよそ7割に上り、昨年度を上回りました。講義を選択する際の参考情報としては、「関連する講義の紹介機能(48.3%)」や「利用者による具体的なコメント(44.3%)」が求められており、他の利用者による講義の評価機能や口コミ閲覧機能の付加による満足度向上が期待されます。また、音楽再生機器による動画学習のニーズも高まっていることが分かりました。現在、大学の講義内容はiPodでの閲覧が可能となっていますが、iPod所有者の約7割、所有していない人でも3割以上の人が、音楽再生機器で利用したいと回答しています。特に、iPod所有者の利用意向は高まっており、2008年度から9.8ポイント上昇しました。
居住地の近くにある大学が公開講座を実施している場合、受講したいと考えている消費者は、8割に上ります。そのうち8割の人はインターネットで視聴する意向がありました。大学は、近くに住む消費者に対し、公開講座の開催・インターネット配信を行うことにより、地域社会の生涯学習推進に貢献することが可能だと考えられます。これからの大学に期待することについても、高度な学問の追求や知識の学外への還元、社会貢献に関する項目が挙げられ、大学が社会に対して果たす役割への期待は高まりを見せています。
■調査結果のポイント
(1)講義内容を公開している大学サイトの利用ニーズは約7割
講義内容を公開している大学サイトの利用経験について回答者全員に聞いたところ、利用経験者は5.4%だった。利用したことはないが今後利用する意向のある人は68.1%で、利用ニーズはおよそ7割に上る。利用経験率、利用意向ともに2008年度から上回った。サイトを知ったきっかけは、「大学のホームページ(41.8%)」や「検索エンジン(28.8%)」と答えた人が多く、これらの媒体での適切な誘導が求められる。
(2)講義を選ぶ際に参考にする情報は、関連講義のレコメンド機能と、利用者によるコメント
閲覧する講義を選択する際の参考情報として、「関連する講義の紹介機能(48.3%)」を選んだ人が最も多かった。次いで「利用者による具体的なコメント(44.3%)」となった。2008年度と比較すると他の利用者の評価やコメントなどを知りたい人が増えており、講義内容を大学のサイトで公開する際には、利用者による評価や口コミ情報交換機能があると、満足度向上につながる可能性がある。
(3)音楽再生機器による動画学習のニーズは高い
現在、大学の講義内容はiPodやiPhoneの専用サイトから閲覧することが可能となっているが、その利用意向を尋ねたところ、iPodを所有している人で約7割、所有していない人でも3割以上の利用意向があった。特にiPod所有者の利用意向は2008年度から9.8ポイント上昇しており、音楽再生機器による動画学習のニーズは高まっている。
(4)地域における大学の講義公開・インターネット配信のニーズは約8割
居住地の近くにある大学が公開講座を実施している場合、受講したいと考えている消費者は、8割以上となった。その公開講座をインターネットの動画で見たいか尋ねたところ、「見たい(27.5%)」と「どちらかといえば見たい(52.6%)」を合わせ8割の人がインターネットで視聴する意向を示した。大学は、近くに住む消費者に対し、公開講座の開催や講座のインターネット配信を行うことにより、地域社会の生涯学習推進に貢献することが可能であると考えられる。
(5)これからの大学に期待することは、高度な学問の追求や知識の学外への還元
これからの大学の役割について期待するものを回答者全員に聞いたところ、性年代別で傾向が分かれた。20~30代の男性は「知識の構造化・有効活用」や「未来の発展のための実験・検証機関」など研究機関として期待している一方、40代以上の男性は「共存社会実現への貢献」や「大学のオープン化」など大学が保有する知見を社会に役立てていくことを期待している。また40代以上の女性は、「地球環境問題への貢献」や「社会貢献活動の実施」など社会問題の解決に向けた行動を求めている。
■調査結果について
1. 調査対象 : gooリサーチ・消費者モニター
2. 調査方法 : 非公開型インターネットアンケート
3. 調査期間 : 平成22年1月22日(金)~平成22年1月29日(金)
4. 有効回答者数 : 1,200名
5. 回答者の属性 :
【年齢】 ~19歳16.6%、20~29歳16.6%、30~39歳16.6%、40~49歳16.6%、50歳~59歳16.6%、 60歳~16.6%
【男女
内訳】
男性50.0%、女性50.0%
【最終学歴】
中学校3.7%、高等学校25.8%、専門学校、各種学校等9.4%、高専1.3%、 短期大学9.4%、
大学(文系)28.8%、大学(理系)12.8%、大学(医歯薬系)1.1%、
大学院、ビジネススクール(ビジネススクール・ロースクール含む)5.0%、海外の大学・大学院0.9%、
その他2.3%
■調査結果データ
※以下をご参照下さい。
【gooリサーチ・慶應義塾大学共同調査】 第3回「大学の講義の公開」に関する調査結果
≪補足≫
(*1)【 gooリサーチ 】http://research.goo.ne.jp/
ポータルサイト「goo」を運営するNTTレゾナントと、日本のリーディングシンクタンクである三菱総研の調査企画力、コンサルティング力が融合した、高品質で付加価値の高いインターネットリサーチ・サービスです。携帯電話でアンケートに答える 「gooリサーチ・モバイル」モニター(11.4万人)、キーパーソンのビジネスマンを中心とする「gooリサーチ・ビジネス」モニター(7.5万人)、団塊世代・シニア層、ならびに若年層を中心とした郵送調査手法で回答する「郵送調査専属モニター」(3.4万人)を含め、379万人の登録モニターを擁し、消費者向け調査から、法人向け調査、グループインタビューまで、様々な市場調査ニーズに対応しています。(モニターの人数はいずれも平成21年7月現在)
(*2)【 日本オープンコースウェア・コンソーシアム 】http://www.jocw.jp/index_j.htm
日本オープンコースウェア・コンソーシアム (略称:JOCW)は、日本におけるオープンコースウェア活動(高等教育機関において正規に提供された講義および関連情報のインターネット無償公開)を援助し普及することを目的として、平成18年に設立されました。慶應義塾大学は、平成17年5月より独自の「慶應義塾オープンコースウェアサイト」で講義内容をWeb上で公開しており、JOCWの初代事務局を務めています。
<本発表資料に関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 企画部 広報担当
E-mail:pr@nttr.co.jp
慶應義塾大学広報室
E-mail:m-koho@adst.keio.ac.jp
<gooリサーチに関するお問合せ先>
NTTレゾナント株式会社 ビジネスプラットフォーム事業部 リサーチ部門
E-mail:research@goo.ne.jp
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